今日はちょっと堅い話です。
今朝の新聞(Corriere della Sera、イタリアの2大主要新聞のひとつ)に、1ページデカデカと出た告示を紹介します。告示者は、Assolatte(乳製品協会)です。
チーズに興味のある方、ちょっと目を通してくださるとうれしいです。
もう何年も前からもめ続けている牛乳の生産者に支払われる価格についてです。
イタリアでは、牛乳が足りない! でもヨーロッパ共同体は各国の牛乳の生産量を決めています。
多く生産してしまった場合は(事実、多く生産してしまっている!)、生産者が罰金を払わなければいけない、等いろいろな問題を抱えています。
これでは、メード・イン・イタリーは没滅してしまう そして、酪農家も企業も従業員も消費者も犠牲者になってしまうであろう。 何週間か前から、酪農家に支払われる牛乳の価格につき論議がかわされている。
彼らは、イタリアの企業から受け取る金額があまりにも低すぎると嘆いて、
20%の値上げを要求し、報復、スト、工場への妨害、集会を企てている。
現実を明らかにする時である。 1. イタリアで生産される全ての牛乳は、国内で買いとられ、国内で製品化されている。
2. 品質が相応した場合、イタリアの酪農家に支払われる価格はヨーロッパで一番高い。ロンバルディア州では、2,3か月前、1リットルに付き、33,156セントにまでなった。
3. 実際の収益は、それをはるかに上回り、1リットルに付き、40セントである。牛乳の価格とは別に、イタリアの 酪農家はクオリティープレミアムとヨーロッパ共同体からの補助金、そしてIVA(付加価値税)を手にしている。
明記しておきたいのは、イタリアでの牛乳の需要量は、生産量をはるかに超えていることである。それゆえ、イタリアの企業は国外から、イタリアより品質の劣る牛乳を購入しなければならずにいる。
さもなければ、すでに40%に達している市場における乳製品の輸入が、もっと急激に増加し、イタリアの経済 に影響を与えることにならざるを得ないであろう。
4. イタリアの酪農家の牛乳の売り上げの収益は、他のヨーロッパの国の酪農家と比べ、現時点ですでに20%上回る。
5. 酪農家からの値上げの要求は正当ではなく、イタリア製品を市場から追放することになり、ゆくゆくはメード・ イン・イタリ―を没滅することに繋がる。
6. とりわけ、ここ2年間、企業はコスト、利益、生産プロセス面において、縮小を行ってきた。すなわち、市場に おける製品の価格の値下げを可能としたのである。一例として、たった1年で牛乳の価格は1リットルに付き、23セントも安くなっている。
7. ISTAT(イタリア統計局)は乳製品に関わる企業のおかげで、2009年だけでイタリアの全家庭は2億7千万ユーロ を節約したと公表している。酪農家からの値上げの提案は、乳製品の価格の値上げに繋がり、国民全体が、5億から7億ユーロ余計に消費しなければならぬ計算になる。この受け入れがたい数値は、イタリアの全家庭に経済的な大きな問題を引き起こることが予想される。
現在のこの状況において、関係者は確たる責任を明らかにしなければいけない。
Assolatte(イタリア乳製品協会)は、常に積極的にイタリアの牛乳に関わるこの問題のよりよい解決策に取り組んでいく姿勢である。
テーマ:チーズ - ジャンル:グルメ
- 2010/07/18(日) 03:26:47|
- イタリアのチーズ
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