イタリアチーズテースター協会(ONAF)の講習を受け、チーズテースターに認定されてからもう10年ほど経つかと思う。
9月中旬から下旬にかけ、チーズのカリスマH女史を筆頭にチーズを愛する約10人の和気あいあいとした素晴らしいグループと一緒に、スローフード協会が隔年に開催するチーズ祭り“CHEESE”、そして北イタリア各地のチーズ生産者を訪問してきた。
この興奮をきっかけに、まだあまり紹介されていないイタリアチーズ、そしてゆくゆくはイタリアチーズとイタリアワインの相性についてブログを書いていくことにした。


世界には2000種類前後のチーズが存在する。“チーズ・イコール・フランス”というイメージが強いかと思うけど、イタリアには500種類のチーズがある。
チーズは、今から15000年ほど前、メソポタミア地方で作り始められた。それは、決して人間が作り出したものではなくて、<偶然>から生まれたものと言われている。
テトラパックも、ペットボトルもガラス瓶もなかった時代、、子羊の胃袋に入れて持ち歩いていたミルクを飲み忘れてしまった人がいた。
何日か経って、もう固まってしまったミルクを口にしてみた・・・なんと勇気のある人であったか!
子羊の胃袋の消化酵素(レンネット)の作用でミルクは固まっていた・・・これがこの世の最初のチーズである。
冷蔵庫のなかった時代、ミルクは日持ちしなかったけど、チーズなら何カ月も保存ができる、ということでチーズ作りはエジプト、ギリシャへと伝わって行った。
ヒツジやヤギを飼っていた古代ローマ帝国人は、ギリシャから伝わったチーズ作りの技術を向上させていく。籠にミルクを入れると自然にミルクが固まることがわかり、さらに、イチジクの枝でミルクをかき混ぜる、またはイチジクの果汁を加えたり、野生のアーティチョークの種を加えると、より早くミルクが固まことに気付いた。。
固まったミルクをヨシで編んだ籠に入れたものはGiuncataと呼ばれていた。Giuncoはあの水辺に生えるヨシのイタリア語である。ちなみに籠はイタリア語でCanestra。今でも南イタリアには、Canestratoと呼ばれるチーズがたくさんあるが、これは、籠(Canestra)が起源である。
石の重しを乗せて、できたばかりのチーズから余分なホエー(乳清)を押し出すことを考え出したのも、古代ローマ帝国人である。
イタリア語でチーズはFormaggio(フォルマッジョ)と言う。これは、ギリシア語Forms(籐の籠)と言う言葉からきている。固まりかけたミルクは、籐の籠に入れて形を作った、要はフォームをつけたわけである。

もし退屈なイントロダクションだったらごめんなさい・・・
でも、ワインだけじゃなくてチーズの技術発展においてもイタリアがどれだけ重要だかわかってもらえたら嬉しいです。
では、また次回!
テーマ:チーズ - ジャンル:グルメ
- 2009/10/02(金) 02:55:37|
- イタリアのチーズ
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